2024/06/28 19:05
〈GOTS〉認証オーガニックコットンを使用した「スタンダード」シリーズ。
今ではBee Ecoのラインナップとして定番となりました。
この〈GOTS認証〉とは一体何か?の詳細を記事にしています。この記事は「後編」となります。
GOTS認証は、原料生産から販売されるまで下記6つ全ての加工段階でチェックがあり厳しい基準をクリアする製品だけにしか与えられません。
・原材料
・糸を紡ぐ工程
・生地に編む織る工程
・染めなどの工程(湿式処理)
・製品に加工する工程
・販売
「原材料」「糸を紡ぐ工程」「生地に編む織る工程」は前編に書いているのでぜひ読んでみてください。
【染めなどの工程(湿式処理)】
この工程には、サイジング、前処理、染色、印刷(デジタル印刷を含む)、仕上げ、洗濯などが含まれます。
上で説明した他のプロセスと同様に、有機毛糸、布地、衣服などの対象製品は、必ず他の製品と混ざらないように識別・管理しなければならず、全てチェックされます。
GOTS認定原材料の購入、数量の記録の維持、廃棄物について、数量の調整、適切な輸送に関しての記録、などの様々な情報を記録し残すことが義務付けられます。
水と化学薬品を使用した工程のため関連するリスクが最も高く、これまで以上に非常に厳しい基準のもと、様々なチェックが行われます。
【サイジング 】※糸を強化する加工
サイジング剤に関しては、少なくとも75%が天然由来である必要があり、前処理・アンモニア処理・羊毛の塩素化などは禁止されています。
漂白剤に関しても過酸化物、オゾンなどの酸素ベースの物のみが許可されています。
【染色・印刷】
染色と印刷の場合、アレルゲン染料、発がん性および発がん性の疑いのある着色剤、および重金属を含む染料には追加の規制があり、天然資源の搾取を避けるために、IUCNのレッドリストに記載されている絶滅危惧種に由来する天然染料および助剤の使用も禁止されています。
また、芳香性の溶剤の使用禁止やプラスチック(PVCなど)を使用した印刷方法の禁止など、使われる原料の制限や、環境負荷の高い印刷方法は厳しく制限されており、仕上げのための加工(抗菌・コーティング・充填、硬化・ルストリング・マット・加重)も禁止されています。
同時に、サンドブラストのような労働者に有害と考えられる仕上げ方法も禁止です。
【製品に加工する工程】
GOTS商品の生産の最終段階となる、切断・製造・トリミング加工の工程です。商品のラベリングと最終包装もこのステップで行われます。
衣服、ホームテキスタイル、カーペット、衛生製品、複合製品などのさまざまな種類の製品が含まれます。
製造には、組み立て・デザイン・ファブリックマーキング・ステッチ・アイロン・仕分け・梱包などの要素が含まれます 。
機械油や薬品の規制はもちろん製品に取り付ける付属品においても、有害物質の残留に関する厳しい基準を満たさなければ認められません。
さらに、ここでも他の製品と有機製品の分離と識別は不可欠で、 GOTS認定原材料の購入数量の記録の維持や、製造工程で出される廃棄物の検討と数量の調整、輸送書類の提示が求められます。
製品のラベリングには、メーカーまたはバイヤーのライセンス番号を使用することができます。
【販売】
GOTSラベルを付けた商品を企業間(BtoB)でやりとりする企業はトレーダーと呼ばれ、一定の年間売上を超える企業は認証機関に登録をしなければならず、ここでも細かいチェックが入ります。
小売業者は認定を受ける必要はありませんが、自主的に認定を受けることもできます。
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ここまでがGOTS認証の工程となります。
細かく調べてみると、改めて知ることがたくさんあります。
「世界基準の認証を受ける」ということは生産段階の各段階でチェックがされていると想像できますが、保管方法や、スタッフのトレーニングの重要性、無駄のチェック、廃棄物についての言及までされているという、かなり厳しい基準をクリアしなければなりません。
そして、ウェットプロセス(染めなどの湿式処理)の中では、「アレルゲン染料、発がん性および発がん性の疑いのある着色剤・・・IUCNのレッドリストに記載されている絶滅危惧種に由来する天然染料および助剤」なんて物が使われている事が稀にでも有るのだと思うと、色々と改めて考えさせられます。
製造コストを安価にするがゆえに、様々な事が犠牲になってしまっている現代ですが、目に見えないものやことにも意識を向けていきたいですね。